死者の為にできること、自分の為にできること。中編(仏教以前⑪)2/5
今回は五回シリーズとなります。
まだ1/5をお読みでない方は、そちらから先にお読み下さいね。
前回の続きです。
私は前回のブログで「死後の世界は移行世界である」といったお話をさせて頂きました。
死後、私たちは自分の波長にあった世界に横滑りで「移行」してしまうそうです。
つまり向こうの世界は「同じような魂ばかりの世界」なんだとか。
そして周りが同じような魂ばかりだと問題が生まれます。
それは「自分の問題点に気づきにくい」という事です。
今回は特に、自分の問題点に気づきにくい世界である、三悪趣(地獄・餓鬼・畜生)といった悪い世界に墜ちてしまった死者に対して、ひいては、亡くなった人全般に対して「私たちに何が出来るのか」についてお話をさせて頂きたいと思うのです。
- 死後の世界の事を知りたい。
- 亡くなった人に対して自分が何が出来るのかを知りたい。
- 仏教について、これから学びたいと思っている方。
- 宗教・宗派の「〇〇だけが正しい」という話に疲れてしまった方。
心で造った世界で苦しむ。
すべては心が造っている。
夏のお施餓鬼法要の時、一部の仏教宗派では下記の偈文(お経の一節)をお唱えするようです。
若人欲了知(にゃくにんよくりょうち)
三世一切佛(さんぜいっさいぶつ)
應觀法界性(おうかんほかいしょう)
一切唯心造(いっさいゆいしんぞう)
くてい訳:あらゆる世界の仏を明らかに知りたいと望むならば、仏の世界の本質をよく観察しなさい。一切は心が作りだしたものなんですよ。
なぜ、お施餓鬼法要で苦しんでいる餓鬼にこのお経を読むかと言えば、あらゆる現象は「心がつくっている」という事を餓鬼に教える為です。
コトバを変えれば「自分の波動がその境遇を作っている」という事をですね……。
夢でうなされ続ける……。
例えば私たちにも、イライラした気持ちや、悲しい気持ちのままで寝てしまうと、夢の中でもうなされ続ける……なんて事がありますよね。
これは「起きている時の心の状態(波動)が、寝た後も続いている」といった状態であるといえます。
この場合、自分で「これは夢なんだ」と気づけばその夢から解放されますが、それはとても難しい事になります。
自分の経験で考えてみれば「夢を見ていて、それが夢だと気づける難しさ」が分かるのではないでしょうか…。
まさに先ほどの「死後の世界の話」とよく似ています。
人の心の力
以前私は「易占霊界」の話をさせていただきました。
人の心の力って、一つの世界を創造してしまう程パワフルなようです。
先ほど紹介したお施餓鬼のお経でも「一切唯心造(一切は心が造っている)」、一切、い・っ・さ・い、と言っているですよ!
ここ、すごくないですか?「いっさい」なんですよ。
苦しんでいる餓鬼に対して「いっさいは心が造っている」と言っているんです。
前回の話からも考えれば、自分の発している「心の波動」が、そうした世界を「引き寄せている」「造り出している」ともいえる訳です……。
「易占霊界」とう考え方は、この「いっさいは心が造っている」という事を解釈していく際に、とてもヒントになる考え方だと思うのです……。
気づいて目覚める方法。
ではどうしたら、悪夢や悪趣(悪い世界)におちてしまった時、そこから解放される事が出来るのでしょうか……。
話をきいておく。
一つは「こうした話をあらかじめ聞いておく」という事ではないでしょうか。
悪夢や悪趣でうなされている状態って、自分の出している波長が勝手に恐ろしい夢を上映しつづけているようなもので、その世界に没頭してウンウン言っているような状態になります。
しかし、こうした話を「起きている時や、生きている内」に聞いておけば「あれ?もしかしてこれは自分が造っている夢(幻)……?」と、自分の状態に気づける事になるかもしれないのです。
こうした話をあらかじめ聞いておく事が、自分を助ける事になるかもしれない、ということですね。
瞑想をしてなじんでおく。
もう一つの方法は「瞑想を行い、心の世界になじんでおく」という方法です。
すこし積極的な方法になりますね。
学校の試験でも「ここの部分が試験に出ますよ」と言われた所は確実に「点数を取れるチャンス」です。
確実に来る死に対して対策をしておく事は「自分を救う事」になります。
実際に「自分が夢をみている事を自覚する」といったチベット密教の瞑想法なども存在しますが、それだとちょっと難しいので、それよりは上座部仏教で行われている「ヴィパッサナー瞑想」が有効ではないかと思うのです。
世間では「マインドフルネス瞑想」として有名ですね。
「夢を夢と気づく」といく事に関しては、科学的にも研究が進められていますので、興味のある方は「明晰夢(めいせきむ)」といったキーワードで探してみるといろいろな情報を得る事ができますよ。
明晰夢について Wikipedia
周りの人に起こしてもらう。
そしてもう一つは、起きている人が「それはあなたの観ている夢なんですよ、夢のような世界なんですよ。」と教えてあげる事ですよね。
夢を見ている本人は気づきにくいですが、周囲にいる人はうなされている人に気づく事ができます。
体を少々揺さぶって起こしたり、声をかけたり……。時には、まぶしい光を当てて目を覚まさせる……なんて荒技も利用できそうです(笑)
3/5に続く……。